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Artist

WILFRIDO VARGAS

Title

EL BAILE


el baile
Japanese Title 国内未発売
Date 1988
Label SONOTONE SO-1409(US)
CD Release 1988
Rating ★★★★
Availability ◆◆◆◆


Review

 毎回、あっといわせるようなヒネリの効いたメレンゲを送りだしてきたウィルフリードとしては派手さはないが、そのぶんクリエイターとして力量のほどがジワジワとしみ出てくるタイプのアルバム。

 冒頭の'CULU-CUCU'は、メキシコの名曲「ククルーククー・パローマ」を連想してしまうがまったく別の曲。のっけから小細工なしのウィルフリード流メレンゲで直球勝負。元気が出ます。
 続く'A MILLON'もスピード感抜群のお祭りメレンゲ。ここではワイワイガヤガヤとにぎやかなコーラスとともに、めずらしくエレキ・ギターが大活躍。とくにギターのカッティングが効果的。80年代のウィルフリードの勢いを象徴するような佳曲といえよう。

 ラテン的な甘酸っぱさにあふれた何気ないけどキラリと光るものがある歌謡メレンゲ'A MOVER LA COLITA''PA 'MAELO'でちょっとひと休みをしたのち、'LA LOTERIA'では、シンセならではのSEを随所に散りばめながら、ヴォーカリストがかわるがわるラップでまくしたてていく。ウィルフリードのもっともラディカルな面があらわれた曲。この路線の集大成といえるのが89年の"ANIMATION"である。

 全速力で疾走した感のある前半にたいし後半は、比較的オーソドックスなメレンゲ・ナンバーが続く。ハッピー・バースデイのイントロではじまる'QUINCEANERA'でのホノボノとした雰囲気も悪くはないのだが、前半にくらべ力抜けする感はいなめない。それでも、コロンビアかベネズエラあたりの音楽とメレンゲを融合させた'EL MONO'のようなヘンな曲もある。ホニョ〜ンとしたシンセの音色がどこかトーキング・ヘッズっぽくておもしろい。
 シンセを全面に使用しているにもかかわらず、ウィルフリードのなかでは、肌ざわりがもっともやわらかくあたたかな感じのするアルバムだと思う。


(10.19.02)



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by Tatsushi Tsukahara